詩人:フィリップ
肌寒さを感じる事はいい
まだ朝に成りきれていない夜の残り香が
ツンと鼻をついている
始発とおぼしきロウカル・レッシャの汽笛さえも
ツンと鼓膜を震わせて
まだ薄暗いのに
国道はよく車が走ると思った
駅前のセブンイレブンが
早朝部活に挑む高校生が
朝の輝きを
他の何者よりも早くに放っている
僕たちが眠っている間に
世界は起きていた
それから
バトンタッチで
人の息吹が
世界を眠りにつかせるのだ
肌寒さを感じる事はいい
見知らぬ子供の起き抜けた声さえも
ツンと心を震わせて
2011/09/01 (Thu)