詩人:どるとる
傷ついたとき感じる痛みの 深さに関わらずに 誰かの痛みも自分の痛みと同じように感じれたら
きっときっと
人の痛みが身を持ってしれるだろう
でも僕らは所詮
自分の痛みしか
わからない
人の痛みを知りたくても人の痛みは伝わらない
ただ 心が人の痛みのイメージを 曖昧に伝えるだけ
優しさだけじゃ救われない
でも優しさ無くしては どうしようもない
優しさと少しの厳しさを 併せ持つ僕らの心には 人の痛みを感じる余裕はあるのでしょうか
人の痛みの度合いは
わからなくても
わかること
きっとたくさんあるはずさ
だから僕らは人の涙や傷つく様を見たときに 目を閉じて広がる暗闇の中に 答えを見つける
何が悲しくて
何を求めてるのか
人と人が連ねれば
思いはさらに
深まって
人の痛みをのぞこうと あらゆるすべを試せどもわからぬ痛みもあるけれど
それでもわかることがある
何かしなくちゃ
何かがしたい
そう思う気持ちだけは人の痛みをわかっている
だから僕らは見えるはずもない人の痛みを見たつもりで
その人の傷跡に
慰めの言葉を
かけるのさ
それがなんの意味も果たさねちっぽけなおせっかいとわかっていても それが人というもので
何かしなくては心がきつくしめつけられる
だから僕も君もあなたも誰も人の痛みに心を研ぎ澄ますのです
ありふれた優しさもすべて寄せ集めてでも誰かの痛みを慰める唄をうたいたい
たとえば一言
『大丈夫かい?』
それだけでもきっといいんじゃないか
きっと心が少し安らぐよ
痛みの唄は今日もいたるところに 風のように吹いている
人の心から人の心へと 見えざる痛みを伝えてる
目を凝らせども
目を凝らせども
見えぬ痛みではあるけれど
優しさを透かして
見つめることで見えるものがある
痛みという名の単純な言葉の裏に隠された
いくつもの滲んだ
日々を連れ立って
今日はまた始まる。