詩人:どるとる
白い月が浮かぶ真昼の午後天気は薄曇り
太陽は雲間から
わずかに輝くだけ
馴れ合いは嫌いだから友情愛情すべてくだらない
そんな心にもないこと 寂しさに負けて口にする
画面の端から端
覆うような
雨音のようなノイズ
モザイクの雨が画面中に突き刺さる
もう何も見えない
正直明日が見えない
僕はなんのため
今誰のため
生きているんだ?
あの日どんな使命を持って生まれた?
そんな大昔までさかのぼってしまうほど
自分の存在に自信が持てない今日を生きている 宙に浮いたような大地に足をつけない日々をもう何度繰り返したかしれない
ああ わからない
わからない
わからない
それだけじゃ伝わらない 通じない
それこそわからない
わからない
わからない
モザイクの中に埋もれた自分は もはや砂嵐の中の一粒
雨粒に相違ない
でもそれも嫌だ
言い訳の数だけ
答えがある
言い訳だって
答えだって
僕は信じたい
聖書の中だけの神様よりも
ここにいる自分のほうが素晴らしい
神も仏もないような世界じゃ道しるべは自分じゃないか
画面の端から端
覆うような
雨音のようなノイズ
モザイクの雨が画面中に突き刺さる
もう何も見えない
正直明日が見えない
それでも信じられる希望はある
期待はされないけれどこちらからの期待は許される
無力で非力な僕だとしても きっと何かができるはず
そうして踏み出した一歩が今日という日を創るんだ
さあ モザイクの雨が止んだら歩き出そう
かかとをつぶした履き慣れた泥だらけのスニーカー
履き直して
偶然の産物は増減をくり返しながら日々生まれては死に絶える
モザイクの中から
晴れ渡る空が
青々とした海が
自由という翼を広げる鳥たちが
笑い 泣く 僕ら人間を
そして 絶え間ない愛や優しさが 溢れるように 悲しみの傍寄り添う。