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詩人:甘味亭 真朱麻呂
闇の中に咲く孤独な花はいつでも無表情 感情をなくした動く人形だ
灯火みたいにゆらゆら揺れながら遠い光を夢みる 手に入れたり奪われたりくり返す
行き先も宛もない
旅の始まり
その終わり
最終章まで僕はたえる ゴールの見えないレースはつづく
人間からひとつずつ感情を抜いたらどこまで人間を人は保てるかな
どこまで人間と呼べるのかな
人間から手足を引っこ抜いても人間は人間だ
ただ感情をなくしたらきっと人間は人間ではいられない
僕たちは人間としての形を成して存在してるから
その形を失ったら人間ではいられない
まるで電車が走り去ったあとの無人のホームみたいに
あとにはただ何もない空虚が支配する静寂につつまれた世界があるだけさ。