詩人:剛田奇作
私が生まれてなかったら
世界は元気に、
世界だっただろう
私の家族は子供が一人いないだけで平和だろう
私の友達は私と過ごした時間分、誰かと過ごすか、別の楽しみをしただろう
「いない私」を求める人はいないだろう
存在しないものは求めようもないのだから
誰も私を望まず、欲せず、攻撃せず、否定せず、認知せず、
世界は毎日クルクルまわるだろう
よくよく考えれば
孤独なんかより遥かに恐ろしいことだ
しかし私達は、
無だった
そう、だから
あなたの考え、悩み、感情、行い、苦しみ、戦い、歓び、それらそのものこそ
「答」だ
結果でも、過程でも、良し悪しでも、ない
無から来た、唯一の有形物
「答」
世界は、無い
あなたが、在るだけ