詩人:甘味亭 真朱麻呂
僕らは生まれて死ぬまでのあいだにいくつの無謀な夢をみるんだろう
それはオトナになって叶いっこないとわかるほど手遅れになっても変わらず僕ならみかねない
若いころだけに描ける画用紙が切れても遠慮も理解もなく僕はきりもなく馬鹿みたいに描く
無駄な夢を
頭の中に
ざっくばらんに
ごちゃごちゃ
でたらめな線を引いたり
幾何学模様を描いてみたり自由気ままに
そんなオトナにあこがれてしまう僕よ
それが最後のオトナの色に染まりきらないための唯一子供でいたという証だよ
捨てるな 僕よ
それでいいんだ
描き続けなさい
行き交う他人に白い目で見られても穴があくほどにらまれても
よしんば殴られたとしても
僕らの空想ゆめ地図はまだまだ描き足りないさ
ゆめは実現させるばかりがゆめじゃない
脳ある鷹は爪を隠すって言葉も意味はないさ
脳もなくて爪も隠していない
もとからなんにもない僕だから
目標や理想なんかなくずっとずっと今まで自由に気ままに風にまかせて旅してきたから
ここまで
これからもずっとたぶん僕ならそうして生きてくよ
楽しいよ そのほうが
目標や理想なんかないほうがいい
ゴールに行き着くために生きてるみたいで悲しいから
どこまでもお気楽に自分のまんまでしばらくはウダウダさせておくれ
僕は賛成してる
他人はみないようにしよう
今だけは
今だけは
僕の地図には次の行き先や宛なんかない
ただ行きたい場所にゆく
それだけだから
ある意味 デンジャラス
アドベンチャーだ
僕の空想よ
地図を広げてよ
まだまだ側にいて
まだまだ側にいて
孤独で悲しい運命を背負わされた僕をなぐさめて
笑っていて
僕がもう少しつよくたくましく笑えるまで
本当はギリギリでくい止めてるオトナになることのあこがれが僕を完全に染めるまで。