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[172538] えんぴつの唄

詩人:どるとる


削れば 少し 短くなる
鉛筆のような 命だね
尖っている鉛筆だけど
横に寝かして
見てみりゃ丸い部分もある

転がしてみるよ
コロコロと
斜面を転がる鉛筆

縦に使えば 細い線
横に使えば太い線
濃さだって違う
十人十色
僕ら 人のように

老いさらばえて短くなったら
年老いた自分にふさわしい生き方で生きる

鉛筆一本ぶんの長さの人生
短いか長いかは その人の考え方次第

鉛筆のように尖っている 心もあるけど
違った角度から
見てみれば ほらね
角張っていたりするけど なめらかな部分もあるさ

たくさんある鉛筆の中に ひとつしかない君の濃さで 描いていくのさ 人生という名画を

鉛筆の一本ぶんのはかない人生を歩く
どうせ終わってしまう時間さ 急いだりあわてることはない

ゆっくり
のんびり
鉛筆のように
気の長い時間を
背高のっぽな
心で 歩いていくのさ
コロコロ 転がって
いろんな今日にぶつかりながら 行くのさ

鉛筆だっていろいろある 色のある鉛筆もある 濃さもかたちも様々だろう

僕ら人間も鉛筆のように様々な人がいるんだよ
そりゃ生き方だって違うはず

あたりまえな話さ

無重力に身をあずけ
心は数センチ宙に浮かんで 軽くなる 気持ちまでもが優しくなる

たくさんある鉛筆の中に ひとつしかない君の濃さで 描いていくのさ 人生という名画を

鉛筆の一本ぶんのはかない人生を歩く
どうせ終わってしまう時間さ 急いだりあわてることはない

ゆっくり
のんびり
鉛筆のように
気の長い時間を
背高のっぽな
心で 歩いていくのさ
そしてやがて人生に別れを告げる日がやってきて 使い物にならなくなった命は鉛筆だから 引き出しの中 骨だけを残してさよならだ

たくさんある鉛筆の中に 同じ鉛筆の中に一人一人が違う濃さで今日もここにいる

ただの鉛筆だけど
それだけでは語れない。

2011/12/04 (Sun)
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