詩人:甘味亭 真朱麻呂
冬の雨は冷たい
あなたの手のように
僕があなたの手を冷たくしてるのか?
あたたかく包んでやらないから
それならちっぽけな僕は意味をなくす
冬の雨にカンタンに流されて 排水溝に吸い込まれる水のごとく
ただ冷たい手をした君に悲しみを背負わせたままで僕一人唯一永遠が許された死の世界へ逃げる
もうすぐ夜明けは近いけど君は昨日の朝から流す涙でおぼれかけている
窓の外はやはり土砂降り
昨日の続きで悲しみは新しい朝さえも黒く塗りつぶす…闇
一面の景色は細い糸雨に覆われてその先の光さえ未だ見えぬ
見えるのは漆黒の闇 ただひとつ そう
ただひとつのみだ。