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詩人:望月 ゆき
毎日が
ずっと、遠浅だったらいいのに
って、言ったのは
あなただったか、わたしだったか、
もう わすれてしまった
うつろいやすいふたりだったから
ただ
手をつないだ
波が
いつまでも海と
わたしたちをへだてるので
泣きだしそうになってあわてて
さっき拾った小石を
堤防から捨てた
きっと かえってくるって
いたずらに、信じてた
おぼえていること
いないこと
つなぎあわせたら
流線型の、パッチワーク
すくわれるあしもと
ときどき沁みてくるのは、あのときの、なみだ
それとも
(毎日が、)
(ずっと、遠浅だったら、いいのに、)
手をつないで
わたしたちはあるこう
ふりこみたいに
やわらかくゆれながら
きのうから、はみださないように
とおい日
つかめないままやりすごした
なにもかもが
すぐそこの、水平線のところに