詩人:甘味亭 真朱麻呂
遠い昔 習った
口を酸っぱい形にしながら母親 父親から共々教わった五十音や足し算 引き算 わり算 かけ算
学校の年層が上がってゆくたび難しくなる
僕は年層が上がるたび頭を抱え真剣に取り組むことよりもいち早く現状から目をそらし逃げることをおぼえたんだ
あいうえお行進曲が頭の中で延々流れてる
まるで坊さんが唱える長ったらしいお経のように
ポクポク 頭の中を行ったり来たり
ぐるぐる回る
何度も回る
ぐるぐる回る
何度も回る
本当に大人になった今もいい迷惑だと思う
英才教育で天才になるためいい学校に入りいい社会人になるため…ばかばかしいと思う
忘れたいのに
いやなのに
なぜか たたき込まれすぎて忘れるにも忘れられない
あの数式もあの感情も あの式の解き方もいやなくらい記憶の中にこびり付いている
役立たずのものばかりだ基本だけで十分だ
むしろ全て要らないさ
わざとばかでいたい僕には…いいはた迷惑だ
やんでくれ
止まってくれ
あいうえお行進曲よ!
あいうえお行進曲よ!
永久に僕を縛る呪い歌よ…
一歩 外にでれば
中の楽園のような空気とは別物の汚らしい人間の匂いが渦巻く世界
あまりの違いと外と中での確執が今日も僕を苦しめる
出かけたら出かけたで計算や考える事ばかりで周りばかり気にしちゃって
本当 狂っちゃうよ
涙もでやしないや。