詩人:花房優希
僕の心に雨が降る
止むことのない雨が降る
ざぁざぁと音をたて、耳を劈くほどに
古傷に沁みる
気だるさが身体を支配する
いつかは水溜りになり、長靴で踏み荒らして、虹の存在を知ることなく
傘が見当たらない
どこかに置き忘れて来たらしい
それがどこか思い出せない
頭皮を濡らし額を伝い、頬から顎へと
ポタリ ポタリ
なにかが、落ちてゆく 音
目を瞑れば止まぬ音
目を開けても傘はない
どこまで歩いて来たのだろう
それとも走って来たのかな
今日も止まぬ雨に、道を見失ったまま
2007/04/10 (Tue)