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[167326] ム感触

詩人:緋子

どこかで脱ぎ捨てたはずの自分の殻が
どうして未来を覆い隠すのか

だれもが前を向いているというのに
私ひとり 俯いて
歩けない

また、置いていかれる?
逆戻り。


遠ざかる、
忘れていく、
手放してゆく
どんどん広がっていく 恐怖

つかみかけた当り前は、
こんなにもたよりなく
握りしめていた掌の中から
崩れ去っていく

痛みが頭蓋の内側にじわじわと立ちはだかる
暗黒にこの目を塞いでは呼吸を奪う

自分が欲しくて、何度も傷つけた
わけもわからず人目も憚らず
何も見えない眼球を振り乱して

また、繰り返してしまいそうで




たった一言。
わたしとみんなを隔てる
決定的な言葉。
きっと意味のない通り過ぎていくだけの日常。


わたしひとりが恐怖を感じていたの。

2011/04/13 (Wed)
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