詩人:どるとる
あいは あいされてはじめて しることば
あいは あいしてはじめてしる ことば
あいはきずついてはじめてしる いたみ
あいはきずつけてはじめてしる いたみ
あいはよりそってはじめてしる やすらぎ
あいはすれちがってはじめてしる さみしさ
あいはみつめあってはじめてしる ときめき
あいはせなかあわせではじめてしる せつなさ
あいはだきあってはじめてしる ぬくもり
あいはうらぎられてはじめてしる かなしみ
あいはゆるしあってはじめてしる きずな
あいはわかりあえずはじめてしる きょり
あいは かばいあってはじめてしる やさしさ
あいは きずつけあってはじめてしる おろかさ
そのすべてを おしえてくれるものだ
そしてたにんだけじゃなく じぶんのすべてをうつしだすかがみ
むきあってみてはじめてわかる こともたくさんある
あいは あいされて
あいは あいして
ただ おなじことをいつまでもくりかえして あきてもまだ
くりかえして
なんどでももとめあえるひとにだけ わかる きぼうのひかり
あいさなくちゃわからない
あいされなきゃわからない
あいのよさもわるさもすべては きずつけて きずつけられて
はじめてしることもある
あいをしるには
あいしあうばかりではままならない
よりそうばかりではなにもみえない
あいをしるには
そのいたみも
こうかいも
しってはじめて
あいとよぶのだ
あいとよべるのだ
はじめてひとをあいして
はじめてひとにあいされて
はじめてひとをきずつけて
はじめてひとにきずつけられて
あいはあいとなり
よりいっそうあいとなる。