詩人:どるとる
急ぐほどの旅じゃない
ゆっくり歩いていこうよ
急いだって仕方ない
そんなにあわてることはない
あわただしい日々の中
忘れてるものがたくさんある
あわただしい日々の中
忘れてることがまだまだある
僕らが見過ごしていることは とてもあたりまえなことなのに
なぜだろう
ほらね
急ぎすぎれば 転ぶこともあるから
ゆっくり 転ばないように 慌てず急がず騒がずに
走るより歩こう
先はまだ 長いぞ
大凡百年あまりの時間をどう過ごそうかな
働くこと 誰かを愛すこと 誰かに愛されること たくさんやりたいことはあるけど
なにぶん僕の 手は短すぎてさ 届きそうな夢は限られる
自分を信じられずに
たまに 逃げ帰ってくるよ 赤い夕陽が今にも落ちそうな
土手の道 ひとり 腰をおろして 目を閉じ風の音に耳をすましていると 悩んでる自分など ばからしく思えてくるから不思議さ
あわただしい日々の中
めくるめく季節の流れ
カレンダーは もう絶え間なく めくられて
春も過ぎ 夏も過ぎ
冬の寒さが身にしみる季節になって
空を見上げたら
満天の星空に
心奪われていた
そんな時間にこそ
生きている意味はあるのだろう
そうさ
悲しむことなんか何ひとつないよ
不安がることなどどこにもないよ
泣きたきゃ泣けばいい
笑いたきゃ笑えばいい
簡単なことだ
誰が僕の存在を否定しても 僕は嘘にはならない
ここにいる
ほらね
急ぎすぎれば 手元がくるうこともあるから
人生だけは 誤らぬよう 慌てず急がず騒がずに
走るより…
ほらね
急ぎすぎれば 転ぶこともあるから
ゆっくり 転ばないように 慌てず急がず騒がずに
走るより歩こう
先はまだ 長いぞ
おまえはまだ 若いぞ
とりあえず僕が僕でいれるように
『僕らしさ』ってなんだろうって旅に出たのなら
答えは生きることのほかにないはずだ。