詩人:甘味亭 真朱麻呂
ふいにはみ出した僕の欲望で汚く塗りつぶされた心が痛いくらい叫ぶ
何層にも上書きされていく思い出が重いと感じるようになったのはいつからだろう
一番はじめに記憶に書き込まれた思い出はなんだっけ
あまりにも思い出がありすぎてわからない でもほとんどはどうでもいい記憶だ
過ぎ去った記憶はどこへやら
昨日の僕はどこにいるんだろう
せめて涙のゆくえくらいはしりたいよ
それだけをおしえてくれるなら今すぐ奈落に飛び降りてもいい
あなたに会いたい
それだけで始まるストーリー
今 また ここで始まるストーリー
表紙はもう開いてる
だから読むんだ
その目で その五感で
頭の中で世界を広げよう
この世界は活字ばかり 難しい漢字ばかりの辞書みたいにふりがなさえふってないヒントのない世界だから
ばかだって
なんだって
自分という権利を盾に敵軍の飛ばす槍を受け流して鍛え上げたその刃で思い通りの未来(あす)をつらぬけ!
さあ かまえろ!
もしその気があるならば
ドアはいつでも開いてる
来るもの拒まず
よびにもこない
ただドアは開いてるから
自分の足でそこまで歩いていこう
どうってことないさ
少しの痛みと苦労だ
なんてことはないさ
そういいながらも流す涙は今光り輝いて僕を導く
つよく弱く愚かにまっすぐに揺れながら揺らされながら
傷をつけ
傷をつけられて
僕は正しくもなく悪すぎることもなく
正義も悪も名乗らず
僕は僕として ただ
残りの日々を生きるだけ やがて終わること理解して
僕はまた新しい扉の前に立ち その扉を開ける
光りがもれるそのむこうに見えるは…僕のしらない世界…
だから仕方ないのさ
深手を負うことも
だからこそその痛みは僕にとってとてつもない障害になり目の前に立ちはだかる 逃げられないならせめて涙を流すゆるしを…