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詩人:剛田奇作
君とは、いつも意見が合わない
というか、会話が噛み合わない
というか、言葉は通じるけど真意が通じない
というか、話は伝わるが、話のテーマは伝わらない
というか、私が赤に見えるねといえば君は青に見えるという
君は、私の言語を理解しない
私の詩もわからない
というか、詩を読んだことない
私は君の…真意を理解しようと努め
君は何も努めず、空を眺め
そして、共感することは全くないまま
少しだけ笑う
私はいつも新しいことが好きで
君はいつもずっと同じものを愛する
私は綺麗な景色がすきで 君は漫画の白黒がすき
何もかも一方通行
お互いに一方通行
そして私はその一方通行を気にして
君は、気にしない
私はとにかく理解しようと励む
君はまったく励んでいない
君はわかっているよという
私は わからない
私が、めずらしい鳥がいるねというと
焼鳥しばらく食べてないなぁと君は言う
私の話はただ眠くなると君は言う
妥協点どころか
お互いの線が見当たらない
もう交わるどころの騒ぎじゃない
そして
その君と私が毎日 一緒にいる
なぜか、いる
のか
だから、いる
のか
とにかくこれから何十年も続く不思議な旅
君は私を知らない
しかし、私の何かを信じているらしい
私はやはりわからない
しかし、君が
私の何かを信じているのを
多分信じている
何を信じているのかわからないまま
わりと奇妙に安心して