|
詩人:甘味亭 真朱麻呂
今日もなんだか退屈で憂うつな一日がやっと終わった
僕は安心したようなため息を吐き出す
まるで一日分のため息ため込んでたみたいに深い深いため息が冬の空気にふれて白くあらわれる
それがおもしろくて
何度もため息を吐き出す
そこにはただ安らぎのないつかの間の眠りがあるだけ
昨日の笑顔が嘘のように土日がきてもすぐに気づけば退屈で憂うつ極まりない平日がだらだら続く
そこに楽園を求めても水飲み場を求めても僕なんかじゃ変えられるものはごくわずかでなにもありはしない 変えられるものならすべて変えたいけど…
熱気球がふくらむみたいに僕の不安も明日に近づくにつれ爆発しそうだ 他人にも被害が広がりそうだよ
「今日は笑おう、明日笑えないならば」
なんてへたくそななぐさめなど意味はないね
ああ ただ今日が終わればまた明日明日と続くだけ
目に見えてしまえるような変わらない流れがあるだけ
そんなせつない気持ちにいったい誰がうなずいてくれるんだろう
そんな人の来訪を期待しちゃいないけどね
見上げた空 今にも雨が降りそうだ
僕の心と同じだ
なんとかギリギリに持ちこたえてるけど限界はもうそこまできてるんだ
僕にだって
誰にだって
そうさたえられるだけの力には限界がある
僕の場合 それはすぐそこだ
涙ももはや流しすぎて出やしない 出詰まりじゃない
たよりの涙腺さえ涙で錆びてしまった
嘘のように
嘘のように
すべて
嘘のように
嘘のように
今日が何事もなく
はじまり終わる
ただそれが
なんとなく腹が立つ
ただそれを
僕は言葉にはしない
いつまでも胸にしまい
墓までもってく
冥土のおみやげに
それまで風のようにただ僕は生きる
昨日の涙や笑顔は嘘じゃ決してないけど本当でもない
その意味わかるかい?
途方に暮れる僕よ…