詩人:どるとる
困ってる人がいたら
親切にしてあげましょう
もうそんな気持ちさえ蔑ろにされがちの世の中
世間に吹く風がまたいちだんと冷たくなった
そんなこと思うこの頃
誰かの痛みを知ることは無理だけど
わからないからこそ
わかり合おうとする
僕らは人の痛みをじかに知ることはできない
だからこそせめて人の立場になって できることをすべきさ
この世界から優しさや人を思いやる心を消してしまったら
ただ 人の憎しみやうす汚い欲望が 残るだけだろう
だから僕たちが今すべきことは 消えそうな誰かの笑顔を守ることだ
人の痛みはわからなくてもその気持ちはわかることができるから
人の中で人は人を思い
そして人は人によって救われる
こんなにもたくさんの人がいる中で優しさや心遣いを知らないでいるのはどんなに悲しいことだろう
群れをなす人の中に
救いの声は届くかな
ただ痛みをこらえたまま 誰にも話せぬ世の中は きっとさびしいだけさ
人の痛みのほどを
その悲しみの果てしなさを ともにわかち合おうとすることこそがこれからの僕たちの目指すべき生き方
歳の差なんて関係ないさ
人を思うことには
性別やお国柄や
国籍や趣味の違いや
そんなことはくだらないさ
ぶち壊せ 国境を阻む壁
乗り越えていけ 海も大地も 人の痛みをわからぬものなどいやしないんだと
誰もが本当は唄いたい
あなたの痛みをすべてわかることはできないかもしれない
それでも同じ人だから
わかり合うこともまたできるはず
だから僕らは 互いの負った傷跡を誰ひとり笑うことはできないんだな
痛みはなくならない
かさぶたはたやすくすぐに剥がれてしまうから
あふれるのは血潮ではなく涙
だけど傷跡から流れるのは いつだって優しさであってほしい
すきま風吹く時代に訴える 痛みの唄。