詩人:遥 カズナ
わすれないで
いてください
めのないものに
太陽のひかりを
つたへられたなら
どんなにか
こころよいだろうか
みみのないものの
りかいしている
せいじゃくを
理解できたなら
また、しかり
つらく、とおく、さむく
あつく、せまく、さみしく
ちせつで、あいまいで、ごうまんで
ざんこくで、むふんべつで
いこじで、たんらくてきで
あてどなく、よるべなく
はしたなく、いわかんだらけで
とるにたらず、しわくちゃで
うすよごれ、けたたましく
ずうずうしく、はじしらずで
あてずぽうで、おちつきがなく
あまりにもひつこくて
ついに、ひざからくずれおち
うずくまっていたとしても
ふみにじられて
たまるものか
うれしさ
かなしさ
に
のしをつけ
はなびらや
しおをまいて
ふところにしまい
あたためながらの
旅
わすれないで
いてください