詩人:アルバトロス
あのとき僕はどう思ったんだっけ
視覚は覚えてなかった
嗅覚も聴覚も覚えてなかった
あのときの場所に行ってみたい
辿り着いたら思い出すかな
何もかも変わった僕だけど
背が伸びて歯が抜けて
怪我をして恋をして
諦めて諦めて諦めて諦めて
あのときの場所は
もう知らない場所
あのときの僕は
もう忘れ去られた過去の影
神社の裏の小さな隠れ家から
飛び出して僕は
こんなに遠くに来てしまった
全てを諦めて来てしまった
あのときのおかえりは
もう聞こえない
ぼんやり夕陽を見ていた僕の影を
君が踏んづけて言う
そろそろお家に帰ろうよ