詩人:甘味亭 真朱麻呂
僕の家の前の駐車場の細い柱にリードで縛られた小さな犬
悲しそうな瞳をして道行く人に甘えようとしてる
飼い主はいつになったら迎えにくるのかな
夕方になってあたりが暗くなっても迎えにくる気配はない
やがて犬の姿も見えないくらい暗くなってしまった
犬のふるえる鳴き声だけが闇の中でひびく かすかな声
なにもできない弱気な僕を呼ぶように犬はいつまでも
くぅーん
くぅーん 鳴いてた
涙を流してるように
くぅーん
くぅーん 泣いてた
真夜中 ずっと
鳴いていた
朝 起きると冷たくなってた子犬
罪悪感が僕を包んだ
いつかの朝に。