詩人:是清。
味気無く過ぎ行く艶めかしい流れ/暇を潰す為に/厭な事柄を浮かばせる午前弐時/寧ろ時だけは残虐で/優かつた憶えも無い/意地汚い清流に/身をたえた事は有りぬれど/彼の猫の額の古臭い町に/妾の噂は流れてゐた/暗く陰気な婦ぢやあない/至つて明るい陽気なをんなさ/白い谷に潜む/傲慢な熱を待つだけ/普段の心掛けが大事さ/指絡み/足場へと誘ふ夜更け・虚しく退屈な彼の町に/妾のかほりは漂つてゐた/嘘吐きな貴方同様/其の術を身に付けて/行灯に寄つて来る蛾のやうな男達と/空つぽな夢を観る/あどけない少女の時代は何時/妾の前で扉を閉めたの?