詩人:浅羽
上書きされた思い出
煙草の煙にまかれて
ショットグラスに注いだ
果てない夢と約束
吸い込んで飲み込んで
吐き出して涙して笑って
重なって抱き合って
誓いあったあの日の夜は
明けて
ほら空にまた朝日が昇るの
言わないだけの心が
夜と共に冷めてく
月明かりが笑って
影に沈む野良猫
吸い込んで飲み込んで
吐き出して涙して笑って
重なって抱き合って
誓い合ったあの日の夜は
明けて
空き缶と吸い殻と
体温と衣擦れの音が
重なって泣き合って
許されたあの日の夜は
明けて消えた
ほら夜が醒める
君の声も消えて
僕は一人歌うよ
吸い込んで飲み込んで
吐き出して涙して笑って
重なって抱き合って
誓いあったあの日の夜は
明けて
ほら空にまた朝日が昇るの