詩人:モチ
闇が聞く。
「まわりの人って必要?」
私は答える。
「あたりまえじゃん!」
闇が言う。
「どうして?」
私は言う。
「人は一人じゃ生きられないから!」
闇が言う。
「でも、人はまわりの人が必要かも知れないけど、まわりの人のコトは考えていないよ?」
私は言葉につまる… 少ししてから、
「そんなことないよ!」そう言うと、闇は
「それなら、なぜ必要なのに殺すの? なぜ裏切るの? なぜ騙すの? なぜ悪口を言うの?……なぜ互いの存在を否定し合うの? なぜ?」
私は何も言えず、黙ったままうずくまり、そしてそのまま闇に飲まれてしまう。
そして、闇は言う…。
「そっか。否定する存在が必要だから、まわりの人がいるんだ……人間って醜いね」