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詩人:まとりょ〜鹿
腕時計の秒針の振動が僕の腕を掴んで離さず
駅の階段から流行色の黒が沢山流れこんでは
君の居場所をかきけしてゆく。
せわしない群の声。
次々と入っては流れ込む電車の軋む音。
時をひたすら刻み込む僕の腕の鼓動。
でも今は蓋をしたように薄れて感じる。
明日を考える事をやめてしまった今の僕。
明日が押し寄せては胸を詰まらせる君。
お互い寂しさの理由は違えど想う心は同じ、
『また明日』が『今度会えたら』に変わるサヨナラの発車ベル。
君の後ろ髪を目に焼き付けたなら
今は静かに日常の群に紛れていようか。