詩人:甘味亭 真朱麻呂
僕は、そうだ
夢に見た 確かに見た
届かない星を掴もうとするかのように
ずっとずっと追い求めていた
醒めぬ眠りの中
僕は永遠に覚めることのない世界の中夢を見た
それは、世界の最果てに行った夢
荒れ果てた世界
崩れ落ちた人家や建物の残骸
異臭をはなつ人々の腐った死体
空にはいつまでも降り続く紅い雨
夢を見ることを忘れただ途方に暮れ唄う哀れな詩人
その詩人は僕であり
僕ではない
言うなれば
僕自身の影だ
そして
夢から覚めたとき
僕はみる
世界の本質を
世界の本性を
世界の醜く酷なる姿を。