詩人:どるとる
ああ なんて大きな背中なんだろう
山のように どこまでも どこまでも
ああ なんてやさしい背中なんだろう
いつか おぶってもらった日の夕暮れが
その背中を赤く染めていた
思い出の中に ずっと寄り添うように
カバのような 丸まった背中に やさしさを見てる あの日のぬくもりよ
忘れない 忘れない
僕は 忘れない
猫背の背中
カバの背中
もう一度 もう一度
僕をもう一度
のせてくれ
カバの背中に
そして あの日のように やさしく微笑んで
夕暮れの茜色と
アスファルトに伸びた影 すこしのせつなさを引きずって
カバは 大きな口を開いて 笑っていたよ
カバは 大きな背中を通してやさしさを教えてくれたよ
カバの背中に
のって 少年の輝く日々は過ぎたよ。