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詩人:morning star
オレンジ色のちいさな花をいく粒も
手のひらへならべてみては
芳香(かおり)の至福(よろこび)を
過ぎ去りし刻の静風(かぜ)へと委ねて
足取りをふたたび今世の終末の方角へと
差し向けては、
目蓋の裏に焼きつけた見慣れた残像(けしき)に
わずか問い掛けた思念(つぶやき)声は、
またたく間もなく過去のながれの時間(なか)へと消え…
宙に誕生まれたての生命(ほし)たちの憶い迄寄り添って観た記憶は、
魂の結ばれた強い因果の結束の憶いに酷似て転換え難き思慕(おもい)だけは観て摂れたから、
自己の意識の内奥の一念(こえ)に託す情熱(ちから)だけは揺らがせまいと、
さっと眼光(ひかり)に刻印まれた色彩りの思いでだけ、
一刹那(とき)の光景迄封じ込めて…