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詩人:甘味亭 真朱麻呂
夢みたいな現実の中で夢をみてるんだ
眠るたび頭の中をスイスイ泳いでるんだ
夢の中で夢をみているんだ 楽しい夢を
現実は僕にいい夢をみせるばかりじゃなくて悪夢までみせてきやがる
現実じゃ悪夢が
眠れば楽園が
僕を待つ
夜になれば楽園が
目覚めれば悪夢が
僕をとり囲む
おなじ世界で
何ひとつ
違わない世界で
夢の中まで夢であふれてる
いっぱいいっぱいあふれてる
頭の中には現実での大切なことが
心の中には楽園での楽しい記憶が
楽な夢の中にずっといたいな
でも目覚めちゃえばからだが稼働する
金を稼ぐため生活つなぐため稼働する
悲しい性ですね
こんなんじゃだめだなあ 僕
でもため息もも少しすれば笑顔に早変わり
魔法みたいに
切ないほど早く過ぎ
いやな時間ほどだらだら進む
うそみたいに
うそだと
悪夢だと
思っても
切なさは
消えない
楽しいはずの夢の中までついてくる
夢を侵そうとする悪夢の卑劣さ
だから笑えず目覚めれば目尻にかすかについた涙のしょっぱい水滴
ほら あるでしょ…
降参だよ
僕は逃げられないのだね
悲しいばかりだ
切ないばかりだ
でもまた夢みたい
夢みていたいんだ
それだけが僕の救いだから
現実からそっと違う世界へ 楽園へ連れ出してくれるから
嫌いにはなれない
現実に支配された心でも透明な気持ちは消えない。