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詩人:甘味亭 真朱麻呂
夢をなくしてしまった人たちがさまようようにたどり着いて集うバー
お酒を呑んでる
酔った頭で考えることといえば別れた女房のこととか
なぜだかお酒を呑むと悲しいことばかり輝いてしまう
妙に美しく見える
子供は元気かな
僕が心配する
差し出されたハンカチは花柄模様
振り向けば美しいレディ
心が揺れる
今夜だけはひとりではとてもいられないから
おつきあいください
どこのどなか存じませんが どうか一夜だけ
一夜と言わず永遠に一緒に本当はいたい
だけれど僕はこのあいだ別れたばかりの身
夢をなくした人たちが集い涙を言い交わすバー
カランと鈴が鳴って今夜も切ないジャズのかかってる店内で素敵な一夜が待ってる
店名は愛と悲しみと渇望のバー
なにもかもなくした男の逃げ道
ほら 君もドアをあけよう
力なんかいらないよ
さあ ふらふら
そろそろ 腰あげて。