詩人:どるとる
夕暮れ
いつもの帰り道
僕はなぜだか
泣きたくなった
土手沿いを歩けば
なんだか
切なくなってさ
大人のくせに
泣きたくなった
泣きたくなったよ
ああ もう何もかも
わからなくなってしまった
生きていることが
わからなくなってしまった
降ってはまたやんで
やんではまた降って
そんな涙に降られて
僕は一人立ち止まり
空を見上げて
悲しみ ごまかそうとするけど ごまかしきれない
にじんだオレンジ色
もうすぐ夜が来て
もっともっとさびしくなってしまうね
こんなふうに人はさびしさを 抱えて 歩いていくものなのかい?
ずっと思ってた
人生は楽しむためだけにあるものだと
ずっと思ってた
大人になればもっと自由になれるものだと
行き場のない思いを抱えて 歩く帰り道
なんとなく
なんとなく
泣きたくなったんだ
泣きたくなったんだ。