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詩人:さらら
もぐら君は
まるいフラスコの中に入り
フラスコの入口を水面に
フラスコの中から
水の中のさまざま生き物たち
その様子を眺めました
もぐら君は水の中の生き物たちと
フラスコを介して仲良くなりました
フラスコは風吹く波により
岸の陸に上がり
もぐら君はフラスコから
出ようとしましたが
入り込む時は楽に入り込めたけど
出ることが なかなか できません
長い時間を過ごし
フラスコの中を
ころころ転がるうち
石にぶつかり
フラスコは割れました
もぐら君はフラスコから
脱出できました
岸と水辺の狭間に住む
生き物が
もぐら君がフラスコから
脱出できなかった時を思い
フラスコを割るための石を備えていました
空は 鳥 飛び
水の中 魚たち泳ぎ
陸には歩く生き物たち
どこに住むか決めるのは
その生き物たち
時に長い時の間 旅をしながら