詩人:望月 ゆき
パーティーは散々だった
おやすみ、のあいさつの方角へと
だいだい色のシロップが
ゆっくりと流れて
しだいに
粘性を増してゆく、
夜の
水の底で ゆうぺ、まき散らされて
わたしは
思いがけず 酸素と
語りあい、
結合し、そのまま
深いところまで おちてしまった
アサガオが
あしたの朝、ひとつも咲かない
夢をみた
パーティーは散々だった
フェイドアウトが得意なことばたちと
行ったきり帰らない
天気雨に打たれて
目を醒ますと 世界は
ソファの上を 細く
息苦しく、まわっていて
泣いたり
呼吸したり
おはよう、のことばを漏らすことすら
容易ではない