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[139321] 振り返ればいつも黄昏

詩人:甘味亭 真朱麻呂


今日もたくさん泣きました
僕は泣けました
素直になりたい気持ち少しも偽らずに泣けました 上出来です

明日もたくさん泣きたい
悲しいことがたずねてくるのがしかたないならせめて自分の気持ちに素直になりたい 他人の言葉におずおずと従って気持ち曲げられたくなんかない

笑えないことばかり散らかってる日々
だけれど闇の中で小さく輝く星ひとつ
夜空だって暗いけどぜんぜん見えないわけじゃない 足元くらいは見えるだろう
月明かりも星明かりもあるから大丈夫
明日も僕はその真下で昼間傷ついたぶん夜はいやされたい

時間は進みたいのか進みたくないのか よそ見してるあいだに過ぎていく
水面に映る月みたいな幻が踊る世界で僕はまだ明日も生きているだろう
きりもなくそう思う
ほんとうは今にも泣き崩れてしまいそうだけど汚い1日の中にもあるわずかな美しさに心呼び止められて僕は涙の代わりに笑顔を浮かべる
死にたいなんて言っていた自分がうそみたいに笑えてる

そして はっと気づいて振り返れば黄昏の中にいつもたたずむ僕が夕陽に照らされてる、その顔には笑顔がひとつ
そのために生きてる
そのために生きてる
けっして言い過ぎじゃない

だってこんなに僕は悲しいけど考えてみれば今の生活にそれほど死にたくなるほどの異存はない
ほらそれはつまり
幸せだってあかし
何も言えない
ほらそれはつまり
満足してるあかし

僕はあざやかな朝へ明日も夢を飛び出して笑うことをなにより望む
どんなに悲しくても死にたいなんてやっぱり言うもんじゃないな
最後まで最後まで
この世界には迷惑かけよう
不器用でも生きていく
僕は空高く生まれもっての生きる権利をかかげる
死にたいと言った気持ちを谷底へ投げ捨てて。

2009/02/03 (Tue)
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