詩人:甘味亭 真朱麻呂
僕らなんのためにここにいるんだろう
僕らなんのために生まれてきたんだろ
僕らなんのために生きてるんだろうか
僕らなんのために人を愛するんだろう
不思議が詰まったこの世界以上に不思議な僕ら人間さま
なんでなんでと子供みたいにやたら気になってしまうよ
気になり始めたら止まらないよ
誰か こたえをおしえて
ただきれいな景色を見てそれに涙を流す自分がとても不思議だから誰か はやくおしえて
この涙の意味を
この痛みのわけを
ゆらりゆらゆら涙は宛も目的もなく行方をくらますよ
僕にもナイショで流れる涙はやがて消え去ってほほを流れる涙も乾くから
涙はまるで元からなかったみたいに消えた
マジックみたいだけど僕の記憶には確かにかすかな痛みが残ってるんだ
涙を 涙を 涙を 流すたび心が言葉にできないくらい痛むのさ
そのふるえは地球を振動させる
人の悲しみ
人の喜び
人の嘆き
人の叫び
どこまで届くのか
流した涙にはこばれて心に届いたすてきな言葉 そしてすてきな気持ち
僕はそれに感激してるよ
言葉になんかなるはずもないはずだ
だってそれは人間のすべてをひっくり返すほどの幸せの訪れだもの
言葉になんかなるはずもない
誰もそれを言葉にあらわせやしないさ
だからそのかわりとして僕らは泣いたり笑ったりするんだ
少しでもその満ち足りない思いをいやすため 欠落を埋めるため
僕らは見えないものをかわりの何かでおぎなおうと形のない何かに命をふきこむ
映画をつくるようにそこに命をふきこむ
僕らは自分をつくる芸術家なんだから
この涙や笑顔はそのたまもの
僕らの作品なんだよ
決してお遊びでもおふざけでもないまじめなまじめなひとつの生き様
僕はそれをうまくあらわす言葉を持ち得ない
ただ目を丸くして不思議をひとつ抱くだけ。