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[173777] やがて何もわからなくなるまで

詩人:どるとる


その寂しさを埋めるのは やっぱり
誰かの存在だったり
優しさだったりするんだよ

どんなにありふれてても 慰められるだけ 幸せなんだよ

当たり前な出来事や
当たり前な言葉
手のひらの上に乗せ
重さを量る自分を戒めた

そしてまた夜が 街におりてきて ビルも大きな塔にいたるまで
すべてを飲み込んだ

僕はなすすべもなく
眠気に勝てず 闇に吸い込まれていく
間際まで 寂しさがひしひしとこの胸を行ったり来たりする

そうだな 例えば
幸せなような
そうでもないような
曖昧なラインの上
今日も僕の役柄はもっぱら天の邪鬼です

そしてやがて何もわからなくなるまで

途方もなく続く日々を 夜や朝を ただ延々と 読み進めていくように

世界の矛盾や理不尽に気づいても 黙ったまま 持て余した正義を誰もが 今日も振りかざせず ポケットの中隠す

夜が来て 朝が来て
また夜が来て
ただそれだけの日々の中で 僕らはどれだけの涙を知っているだろう? そしてどれだけの笑顔を知ってきただろう?

とりあえず 今日も
僕は平和などという たいそうな1日に隠された大いなる幸福に気付もせずに
鼻で笑った愚かしさにあとで気づき
たいそう悔やんだ

そうかと気づいたその時僕の何気ない毎日を 照らすように
はじめから用意されていたような 幸せが見えたとき
夜は朝へと変わってた

そしてただの1日だったのがどこか特別な時間に変わったんだ

多分いつまでも繰り返すだろう

いつかやがて何もわからなくなるまで。

2012/01/30 (Mon)
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