詩人:どるとる
誰かが 見つけた小石がひとつ
いつか 見つけた小石がひとつ
僕は拾ってみたんだ
丸い形 四角い形
小さいのや大きいのいろんな色の小石は 様々な時代を映してる
人の悲しみも喜びも知っている
美しい夕暮れも澄み渡る青空も雨空も知っている
小石は今日もただそこにある
今日も人の生活を見ているよ
あなたの足元で
笑いもせず
泣きもせず
ただ転がってるよ
星空の下
いろんな場所
いろんな形で
小石はただ
そこにあるよ
僕より長生きしてるからたくさんいろんなこと知ってる小石さ
いつか誰かが拾った小石さ
何年先もそこに転がって 人の生活を見ているよ
人の人生を見ているよ
優しくもなく
まして冷たくもない
感情のないその瞳で
黙ったまま 生きる
小石さ
そして僕は小石をもとの場所に置いて
僕も小石のような
この世界に転がってるたくさんの人の中のひとつだと思ったら 笑えたんだ
さっきまでの涙なんか忘れてしまうほどに
さっきまでの悲しみなんかどうでもいいみたいに。