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[15914] ときめく瞬間

詩人:りんくす



電車の扉が開いて
バイバイも言わずに
さっさと電車を
降りてしまう


いつものことだから
きっと振り向かず
さっさと階段を
上がっていっちゃうんだろう


でもなんだか
もっと話していたくて
わがまま言って
反対方向の途中まで
タダこねて
つき合わさせた


こんな日まで
振り返りもせずに
いっちゃうなんて…


電車にぽつんと座って
階段を裏側から
睨み付けてたら
涙は出ないから
ずっとそうしてた


そしたら…


階段の裾で揺れる影
くすくす笑いのきみ


見透かされた恥ずかしさに
私のおでこにプンプンマーク


だけど
その瞬間──


バカ野郎
なんて呟きながら
嬉しくて



2004/08/11 (Wed)
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