詩人:甘味亭 真朱麻呂
生まれた日をむかえた子供を見ても僕は罰当たりにその子供がやがて時を重ねそして最後死んでしまう日を想像してしまう
この子もそんな運命を抱いてるんだと思うと喜んでいいのかどうなのかわからなくなる
望んでやしないのに生まれてくることが素晴らしいことかわからなくなるよ
自分もそうだったはずなのに今こうして現実を受け入れ愛せる範囲で愛してるからとこの子もおなじと思ったのか
壮絶な腹の痛み 乗り越えてまで生む意味はどこにある? 僕にはわかりそうにないや
人は理不尽という形なきものといびつな運命と限りある命と涙といっしょに生まれてくる 誰もが
そして死ぬときもそれを抱いて死ぬんだ
思う気持ちは様々なれど
なんかそれって悲しくてうれしいんだ
運命みたいに人の気持ちみたいにコロコロ変わるんだ
雨はまだやまぬ
明日も引き続き降り続くだろう
それでも 太陽はやがて昇ってくる
雨空の下で日差しの下で僕は変わらぬ僕とふたり手を取り合いひとつになる
今思い出した
僕が生まれたとき同時に僕の目の前にさしたはじめて目にする瞳を突き刺すまぶしさ
それはそれで素晴らしい
生まれたものは仕方ない
そんな安い言葉でつなぐ命 続ける日々
その意味
まあいいか
明日も生きてみよう
そのさきにあの日見たような光があると信じながら
どんな理不尽もどんな悪天候も鼻で笑って苦しくたってへっちゃらと意地っ張りな態度で乗り切れば大丈夫さ
涙でよごれたあとの笑顔も素敵さ
しなびた花も元に戻るさ
雲に隠れた太陽も悲しいときに見る夕暮れもつぼみのままの桜も秘密にした罪も見えないこたえも定まらない現実も
それはそれで素晴らしい
今はそういうことにしておこう
こたえなんかあとでつくりゃいいさ
そうやって脳天気楽天的無神経
素晴らしいじゃないか
そのほうが痛み少なく生きれるかも。