詩人:甘味亭 真朱麻呂
僕のつたない想いはふいの風に吹かれてどこかに消えていく 影も名残もなく
幻と隣り合って自由なる死と隣り合わせの毎日をなぜか僕は生きてる
明日へ向かう選択肢をつかんだ
はかなくも素晴らしい夢を見て
あこがれを空に重ねて
小さなプライド揺らしながら意地っ張りになって歯を食いしばって僕は絶え間ない道のりを行くんだ
瞬間だけの1日もまばたきするように指の隙間すり抜けていくときめきも忘れない気持ちがあれば何度だってその気持ちにかえれる
はじまりにもどれる
あたたかな風 凍るようにつめたい風
そんな現実に吹かれている僕と立ち止まる夕暮れ その背中にひとつ赤い夕陽
観覧車のようなゆったりとした時の流れ
されど過ぎゆく運命
決められた宿命
笑え 僕よ 君よ
泣くな 僕よ 君よ
生まれもって手に握らされていた理不尽と不具合を欲望で塗りつぶせ
光は影を 影は光を
打ち負かすため生まれてきたものだから
悲しまずには生きられぬけど喜びをつかめるのもまた事実だから悲しみに涙を流しきらずに喜びに出会ったときにこそあたたかい涙を流せ
せつなくもいとおしい
この世に吹き荒れる砂嵐に吹かれてもなお前に進もうとする奇なる偶然の下に生まれ落ちた僕を僕はみとめよう 今
僕だけにしかわからぬ痛みと僕だけにしか伝わらぬ感傷を手に旅立つ
明日からまた明日へ
繰り返すその先に求めていた光があるんだと悲しくも美しい期待を素直に信じるよ
汚れなき瞳はきれいな円を描きながら未来をすこしずつ描いてく 下書きしていく
僕が色を塗るのを待つように
未来は思ったのと違ったって泣きはしないさ
現実はそんなもんだと小さな違いに笑ってみせる
その違いが逆に生きてるってあかしを伝えてるようで嬉しかったんだ
妙にそんな欠落した未来がいとしくて抱きしめたくなった。