詩人:高級スプーン似
そもそも
タイトルが嫌いだった
“BLOODY
MAYDAY”
手のかかる
若者だけがかかる
流行病への安定剤みたいで
血の雨を浴びる
花冠の女王が
被害者か加害者かで
白熱すれば
アンチポップの仲間入り
それだけは避けたかった
自分が子供じゃないと
知ったのは
大人もガキだと
知った時
もっと
完璧だと思っていた
どれだけ深手を負っても
必ず治ると信じていた
髪の毛に付いていた
糸クズを見せられ
「あなたの悩みは
これでしょう?」って
ですよね〜
医者も薬も神様も
その場しのぎの存在だ
悟ったような口叩いて
僕は内側から鍵をかける
教わった
父に母に友に君に人に
この世に存在する一部に
今になっても
笑えないことを
隠して抱えて
笑っていることを
隠しきれず
人に見られても
結局
どうにもならないことを
たくさん×2
教わった
疵のない宝玉になりたいと
願った
取り返しのつかない
治らない過去
目の下に追いやり
ひどい顔して
ほらまた
僕は笑った
本質もよく考えずに
花冠の女王を抱いた
中立的な立場は
崩れ落ち
悪い方にばかり
転がっていく
リピートしようと
伸ばした僕の手
掴んだのは
「甘ったれんナ
坊や
都市伝説でも
ファックしな」
迷い込んだのは
二度浸け禁止区域
精神的治外法権の場
隠し事が通じない
ドアを蹴破って
侵入られて
僕ごと全部
破壊される
“BLOODY
MAYDAY”
降り注ぐ鮮やかな紅
使い古された匂い
抑えきれない欲が
騒ぐ騒ぐ騒ぐ騒ぐ騒ぐ
「理屈で
抱きしめられても
温もりは
伝わってこないから」
原形止めず
流れ流れて血の池地獄
浸かって僕
生き返る
懲りずに僕
笑っていた