詩人:獏
秘密や約束事が多すぎて
眠れない
わだかまりやとまどいが多くて
話ができない
毎日 疲れすぎて
顔を見る時間もない
ブラックジョークは口にした次の瞬間から
現実に寄り添いはじめ
歯が浮くような褒め言葉は
空々しさに付き纏われ
どんな言葉もどちらかにしか思えなくなり
しゃべる事そのものが
億劫になっていく
本当に癒せる言葉なんて
どこにあるんだろう
真摯に思いやる言葉とは
どんな風に言えばいいのだろう
口から零れ出す会話
忘れ去ってしまえればどんなに
話すことが楽になるだろう
話したばかりの事も
和やかな笑いとともに
空気に溶けていくなら
人と話すのは
どれだけ楽しい事だろう
毒を含んだ言葉を使わずにいられないのは
クズレタココロのせいだろうか
ありきたりの日常の中
積もっていく小さな悲しみのせいだろうか
毒のない言葉で話せる日が
私に来るのはいつだろう