詩人:遥 カズナ
透き通った海の
珊瑚礁の星砂やら
砂漠の黄金の砂粒達が
湧いては零れ
打ち寄せては流れていく
回転する
土星の輪の成り立ちに
ゆだねられた
木管なのかも金管なのかも
やもしれない感触に近い音色が
シルクのレースを織るように
あるいは
ほどいていくように
火か血か
目か水か
風か肌か
形に意味が与えられたのか
意味が形になっていったのか
きっと本当は
「ホットレモンティーでいいよ、出来ればレモンのスライスは2枚がいい」
肝心な事は
背中に張りつけられたように
必ずあって
「カップの中でこうやって、スプーンの先でレモンの果肉をぐちゃぐちゃにつついてかき混ぜてやると、凄く美味しだよ」
日射しが
ティーカップの中で渦を巻く
レモンの果肉達を別つ
カップの縁の影を越えて
外側の光の方で
気がついたように戦慄く方と
影へと包み込まれ
香りを残すように秘めていく側とに
ふとしたように
左手首のこうあたりに目をやる
「砂糖は多めに」