詩人:どるとる
風船みたいにふわふわした気持ちで生きていたから
1日が妙に短く感じてしまったよ
読みたかった本も
クリアしたかったゲームも
気づけばできず終わってしまった
そして夕暮れになって空が茜色に燃えて
風船が割れるように夜になり眠りに落ちる
バルーン日和だね
いつもそうなのさ
夢の中では僕はどこかの王様なのに現実世界では孤独で貧相なやつで
夢ばかり一日中見ていた気がするんだ
でもそんな自分を責めることはしたくなかった
自分を愛してるとかそういうことじゃないけど自分を責めることほど悲しいことはないと思うから
嫌なことは忘れたふり忘れたふりで本当に忘れた
そしてね今日も一日が暮れていって
戸締まり確かめたら夢の中へ
僕にとっての幸せはなんなのかな
それをこの今日一日の中で少しでも見つけられたかな
なんて考えてたら
いつの間にか夜(よ)は明けて
またふわふわ
気持ちを浮かべて
目が覚める
べつに何もいいこと見つけられなかったけれど
ひとつだけわかったよ
それは
どんな一日でも無意味な時間にはならないってこと
不器用なこの僕でも
風船みたいな気持ちでも
僕が今生きていること以上に幸せなことはないからそれを僕は幸せだと思うよ
バルーン日和
今日もふわふわ
心を浮つかせて
朝から晩まで
心まで平穏に
生きれたら幸せ
平穏無事でね
何事もなくね
普通にいれたら
それ以上望むことはないから
僕は口笛吹き鳴らして黄昏の中 空を見上げる
見上げた空はやはり綺麗な茜色 僕を優しさで満たす。