詩人:どるとる
何もないこの街に
今日も夜が来る
何もない部屋の中
月明かり 差し込む
何もないこの街が
静寂に包まれて
何もない部屋の中
目を閉じて 夢を見る
何もない 何もない
ただの夜 いつもの夜
悲しい 嬉しい
それさえ曖昧なんだ
なんとなく抱きしめている沸き立つような感情
君には わかるかな
同じ気持ちになれるかな
目を閉じたまま 僕は空だって 海だって
昇れるし 深く深く潜れる
何もないようで
瞼の裏で たくさんたくさん 冒険した
一歩も動かずに
静かな夜の中 魂だけで僕は旅をした
そんな何もない夜
何もない夜さ。