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詩人:どるとる
空から降る雨が大地を濡らし草花を育てる
それと同じように
涙の雨がどこからか降り出して
笑顔の花を咲かせるのさ
悲しみから生まれた涙も
案外毛嫌いされるけど僕らをちゃんと育ててくれているんだろう
好きにはなれそうもないけど
涙の雨のその中を
ひとり 僕は歩く
普通の雨なら傘を差すところだけど
悲しみの雨には傘なんて差せないから
誰かの愛や優しさがしいていうなら傘代わりかな
だから悲しみに濡れるこの僕を守って慰めて
涙があふれて止まらないそんな夜は
静かに夜空に浮かぶ月を眺めよう
ただ静かに瞳をとじて
寄り添うのは世界で一番愛する人なら幸せ
何億 何兆 数えられないくらいに輝く星の中で僕らはなんて小さな存在なんだろう
今 僕は思った
だけれどそんな気持ちさえもかき消してしまう君の笑顔はもはや神がかりさ
幸せに限りなんてないのはわかっている
だけれどなぜか今思ったよ 僕の心は今満開に咲いていると
涙の雨に濡れながら走りつづけるその姿
君がずっと見ていてくれるなら僕は走りきれるだろう
涙があふれても
どれだけあふれても
差す傘さえ見つからない夜は君が僕の心の中に傘を差し出してくれるから
涙の雨はやがてやんでかわりに笑顔の花が咲くのさ
だけれど涙の雨はやむことはないからまた降り出すけどそのときはまた私があなたの心に傘を差し出すと言ってくれた
残酷なほど 悲劇的なほど
雨は僕を濡らし続ける
だけれど君がそばにいてくれたら僕は平気
笑っていられるから
どうかそばにいてほしい 君に誰よりも
…また雨が降り出して
傘を探していたら
君が静かに僕に何も言わず笑って傘を差し出す
やがて虹が架かって僕の空は忽ち晴れていくだろう
いつもさっきの涙が嘘みたいにね
だから今度は君の傘になるため僕が濡れる番だ
君が濡れてたように。