詩人:香奈
あなたから
捨てられるのが怖くて
逃げた時があった
自分の事しか考えてなくて
あなたの事で傷つきたくないから
泣きたくないから
失いたくないから
捨てられたくなかったから
自分から
逃げた
一生懸命
走った
『あなた』の
いない道を選んで
振り返らないで
走った
転びそうになったけど
歩きながらも
頑張って進んだ
だけど
足がいつからか
動かなくなって
震え出して
無意識に
振り向いた
あなたの殻が
見えた気がした
人に嫌われる事は
慣れている
と
にこって笑ったあなたがいた
でも
目は笑って無かった
そうか
あたし
あなたに
同じ悲しみを
また植え付けようと
してたのね
あなたが
どれだけあたしを
好きか知らない
好きなのかすら
分からない
あなたにとって
ほんの一握りの
存在なのかもしれない
だけど
そんなモノでも
失う悲しみは
同じ
自分の事しか考えてなくて
捨てられたくなくて
自分から
逃げた時があった
でも今はもう
そんな事しない
帰って来たあたしを
笑顔で迎えてくれた
あなたが
本当に欲しいモノは
あたしじゃないけど
あなたの
視線の先にいるのは
あたしじゃないけど
それでも
側にいるよ
あなたの笑顔を
守ってあげる
今だけでいいからね
あたしと
一緒に
別れ道を歩いて
別れの涙は
あたししか
流さないだろうけど