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詩人:甘味亭 真朱麻呂
神様の瞳から絶え間なくあふれる涙
やがて大きな海になり 陸だけの惑星に海が生まれた
噂を聞きつけた魚たちが泳ぎだした
成分は海と似たようなもんだと知ると鯨やシャチたちもやってきたよ
とてもにぎやかになった
プランクトンも成長して人間に早変わり
ある時は砂にうもれた小さな貝殻が歌を唄って生まれたメロディーがなにもない宇宙まる見えの空間に広がって空という屋根が陸と宇宙とのあいだに生まれた
そこでは夜になると星が輝き月が活動するようになった
言いたいことは言えないまま
言いたいけれど言い表せない
この気持ち
こんな気持ち
空や海や宇宙に比べれば小さい 小さい
そんな繰り返しが繰り返されてボクはここにやっと立っている
つまり言いたかったことはつきつめればそんなもんだよ
経過があるんだよ
最初からこうじゃない
今の世界はボクが生きている今はいつかはじまった物語の続きさ
ボクがあの世に逝っても続いてくだろう
そして誰かが思うだろう おなじようなこと
人間ならね
マンモスの骨付き肉は今や鉄板の上で焼き肉
川で洗濯 たらいと洗濯板 今や洗濯機 乾燥機まである
原始時代は徒歩が限界 やがて人力車があらわれ 今や車社会とも呼ばれ
高度な科学と高度な経済が世界を統べる民主主義国家
ついには頭の良さを比較し利用し金をもらう競争社会
そんないろんなことがはるか昔から今にいたるまでめまぐるしい成長をとげてきた
ピラミッドみたいにどんどんだんだんガタガタトントンカンカン
上にゆくにつれ機械化されもっとも高度なつくりになる
そんな社会だよ
今なんてはるか未来からすればちゃっちいかもね
ロボットだってまだ製作段階に過ぎないさ
すべてはおもちゃさ
あるようでないようなもしもの世界
悲しいような嬉しいような未来
でもとりあえず僕はここに立ってるぜ。