詩人:甘味亭 真朱麻呂
日々人はなにかと闘ってる
悲しみとか苦しみとかせつなさとか
それは決まった形をもたないけど
十分ぼくら人間を痛めつけるにはちょうどいい
理屈という正答な憎たらしい箱の中で膝を丸め縮こまってるぼくの目には悲しみばかりがひどくおそろしく見えてさ
そのくせ喜びだけは輝いて見えた
やっとひと仕事終えて家に帰ってつかの間の自由をゆるされてもなんのこともなく時間はすぐに消えてく
縛られている時間にすべて奪われてる
そんな気持ちを抱くから時おり浮かべる笑顔さえ嘘っぽいよ
本当は悲しいことにも笑えたらいいけれどぼくにはそんな強さなどなくて
ただ悲しみに素直に泣くことしかできないけど
そんな自分がどこか好きなんだ
夕暮れ黄昏 風が涙をさらう
目覚めればほらまたちゃっかり笑えてるぼくがいるじゃないか
だからそれほど大したことじゃないさ
わかってるけど
わかってるけど
やっぱりこわいんだ
電気消して 眠ってしまえば明日は来る 夜更かししても明日眠くなるだけだし
ろうそくを吹き消すように人生なんて終わってしまえばかんたんなもんだ
まるで夢をみていたみたいなんだ
どんなに苦しくても
苦しいのはそん時だけ
人生 終わりゃあとは静かな眠りが暗闇の向こうで待つだけ
永遠に覚めない夢が待つだけ
考えただけでもせつないけど今はまだ今はまだ悲しまなくていい
想像は単なる想像だと自分さとして今は前を向いて 上を向いて歩けと自分うながそう
ろうそくはまだ長いから
溶けてしまうまでめいっぱい笑おうじゃないか
たとえ何かが苦しくてもわずかでも笑える瞬間に立ち会える喜びをかみしめて
人と比べず 比べさせられず進めばいい
そんな具合に生きていけば素晴らしい
なにが足りなくともなにが悲しくとも
人生それだけじゃ無いはずだから
だろ?