詩人:どるとる
窓辺に佇み
ただ目を閉じ
瞼の裏に
明日を描く
幸福でした
昨日までは
誰かが死んだ
今日を知るまでは
世界巻き込む
不幸や災害も
昨日の僕らには
知る由もなく
仕方ないと
済ますしかない
僕らは
この窓辺で
ただ悲しみを抱く
見つめる先には
瓦礫の山と
誰かの涙の痕がある
幸福でした
明日が来なければ
誰かの死を
目の当たりにした
今日を知るまでは
ああ 今日はなんて日なんだ
ああ 今日はなんてついてないんだ
僕も君も何らかの被害者だ
責任からは逃れられない
弱い強いに関わらず
今日も傷つく民の中
幸福の窓から見える景色はいつでも残酷なほど美しい
今日という現実を突きつけられるまえの昨日まではね
今日見た地獄も天使が優しく微笑む天国のようだった。